食事をする前のあいさつ
「いただきます」
あなたは普段から「いただきます」と、あいさつをしているでしょうか?
その意味を聞かれたら、伝えることができるでしょうか?
学校では習わない
「いただきます」というあいさつの意味
ほとんどの学校では習うことがありません。
「食べる前に、いただきますをしましょう」とは言われるかもしれませんが「なぜ、しなければいけないのか」という質問には正しく答えることができません。
「食材を作った人、食事を作ってくれた人に感謝する」という苦しい答えが返ってくるでしょう。
この答えは間違っていますが、先生方が正しい意味を知らない訳ではなく「教えることができない」のです。
「いただきます」という言葉は「仏教」の考え方から来ています。
学校では、ひとつの宗派に偏った教育をすることができないため、正しく教えることができないんです。
あいさつはした方が良いと思うが、宗教的な説明ができないから、それっぽい理由をつけて答えるしかないんですね。
あいさつをした方がいいというのは、以下の記事で紹介したような影響があるからです。
本当の意味
では「いただきます」の本当の意味はなんでしょう?
それは「生命をいただく」ということです。
他の生き物の生命を自分のために「いただく」
つまり「自分に身体の一部として取り込ませてもらいます」という意味があります。
他の生命が自分の生命とつながるという考え方で、自分の生命を維持するために犠牲になった生命に感謝するのです。
生活を便利にするためのものなら、生命を奪うことを避けることができますが、生きるためには食事をすることは避けられません。
その感謝の意味から、日本では食事に関するものには「御飯」「お味噌」「お箸」など「御」「お」をつけた丁寧な言葉で呼びますよね。
ひとが食べるものはすべて「生命のあるもの」です。
石や鉄など生命のないものは食べません。
たったひとつの例外「水」を除いて......
西洋の考え方
西洋ではどうかというと、食事を含めて考え方が違います。
「ひともその他の生き物も、それ以外もすべて神様が作った」という考え方です。
食事は神様が自分に与えてくれたもの
そのため食事の前も、食べ物に感謝するのではなく「神様に感謝」して祈ります。
食事として生命を意識した考え方に「ベジタリアン」というものがありますが、これは「動物の生命」であり「植物の生命」は考慮していないので「いただきます」の視点とは違いますよね。
子どもに伝えるために
「いただきます」は宗教的な考え方であり、学校では強要できないことがわかりましたね?
しかし親としては子どもには、しっかりとあいさつができるようになってほしいものです。
ではどのように子どもに伝えれば良いでしょうか?
子どもは教えなくても、親の行動を見て学びます。
親がしっかり「いただきます」とあいさつをすれば、そういうものと覚えますし、親がスマートフォンをいじりながら食事をしていれば、そういうものと覚えます。
子どものために親が見本になるんです。
そして子どもが、その行動に疑問を感じて質問をしてきたら、親として取ってきた行動の意味を教えてあげましょう。
宗教的な本当の意味である必要はなく、「いただきます」の意味を知った上で、親として必要だと考えた理由をです。
おわりに
いかがだったでしょうか?
「いただきます」というあいさつは「生命のつながり」という考え方から生まれました。
しかしその意味は、学校では教えることができません。
「食べ物に感謝する気持ち」
それは食べ物が手に入らない状況になったことがない世代にとっては理解しにくいことなのかもしれません。
コンビニに行って500円払えばお弁当が買えますから......
しかし子どもは、その500円の価値もわかっていないかもしれません。
親として「食事ができる喜び」「食べ物に感謝する気持ち」を伝えていきたいですね。