子供が小学生になると一人で行動する機会が増えて、居る場所の把握や連絡ができないと不安ですよね。
そこで機種変更をして余っているスマホがあったので、利用できる機能を通話とGPSのみに制限して子供用のスマホにしました。
先日、我が家の小学3年生の子供が友達と遊びに行くと言っていたので、作成したスマホを持たせたのですがGPSで場所を確認すると電車で隣の駅まで行っていたんです。
てっきり近所で遊んでいると思っていたので、びっくりしました。(交通系ICカードを持って行っていたらしい)
子供の行動力の高さと説明能力の低さを侮ってはいけませんね。
というわけで、何かある前に子供に持たせておきたい子供用スマホの作成方法を説明します。
カメラやSNSなどの機能が使えると事件に巻き込まれたりしないか不安なので、利用できる機能は基本的に通話とGPSのみとして、設定画面へのアクセスもできないようにロックする方針でいきます。
今回の方法で制限対象とする機能の指定は、設定した本人(親)であれば簡単に変更可能ですので、使える機能が通話と位置情報だけでは不便と感じたら、あとから機能を開放することは可能です。
必要なアプリや設定を行う部分では大量の画像を使って詳細に説明していきますので、自身が格安SIMを利用しているため子供用に大手キャリアのキッズプランが使えない場合や、スマートフォンが余っている場合は、ぜひ参考にしてください。
なお、設定項目の名称はスマホの端末やOSによって若干表記が異なる場合がありますので、あなたの端末に合った内容に読み替えて対応してください。
長いので設定を完了するまでは本ページをブックマーク(お気に入り)に追加しておくことを推奨します。
スマホ端末の用意
まず子供用のスマホ端末についてですが、注意点として本ページで紹介する見守り設定は、子供の位置情報の確認やアプリダウンロードの制限に「Googleファミリーリンク」というアプリを利用します。
Googleファミリーリンクの仕様により、子供のスマートフォンはOSがAndroid 7.0以降のAndroid端末である必要があります。
見守る側の端末については、Android 5.0以降のAndroid端末もしくはiOS 9 以降のiPhoneであれば利用できます。
余っているスマホがない場合は、中古スマホ販売店で格安で購入することもできますので、Android 7.0以降という点に気を付けて購入するのも良いでしょう。
中古スマホ・タブレット販売の【イオシス】なら中古でも3ヶ月保証が付いていて安心なので、中古スマホの購入におすすめです。
今回は、我が家で余っていたdocomo向けの arrows Be F-04K(Android 9.0)に子供用の設定をしていきます。
余談ですが、この F-04K は防塵・防水・耐衝撃に加え、ストラップホール付きと小学生に持たせるのに最適です。
SIMの用意
SIMに関しては維持費を0円にするため、月のデータ使用量が1GBまでであれば無料で使える楽天モバイル に契約していましたが、月額0円の料金プランの廃止を発表したことを受けてau(KDDi)の「povo2.0」に変更しました。
楽天モバイル も通話し放題で考えるととても安いのですが、プラン内容変更に伴い維持費を安く抑える最適解を「povo2.0」に譲ってしまいましたね。
「povo2.0」は基本料0円で必要に応じて有料のトッピングを追加するプランです。
有料トッピング無しの0円利用時は送受信最大128kbpsと遅いのでネットの閲覧などは耐えられませんが、通話と位置情報の取得くらいなら問題ない速さです。
但し、povo2.0は完全に維持費0円では利用することができず、次の条件を両方満たす場合は利用停止、契約解除となってしまいます。
- 購入したトッピングのうち最も遅い有効期限日の翌日から180日の間、有料トッピングの購入がない
- 180日間の音声通話料とSMS送信料の合計額が660円(税込)を超えていない
→上記どちらも満たすと利用停止、契約解除となる。
つまり維持費を最小限に抑えて利用停止、契約解除を避けるためには、180日(約半年)毎に有料トッピングの購入が必要となります。
現状、一番安い有料トッピングが「smash.使い放題パック(税込220円)」なので、1ヶ月あたりに換算すると月額37円で維持できます。
もっと攻めるなら「5分以内通話かけ放題」が「税込550円/月」で月途中での契約が当面の間は日割りと「よくあるご質問」に書いてあるので、180日前の月末に契約して即日解約すると180日間を約18円で維持できる計算です。
しかし「よくあるご質問」には、「基本的には日割りにしない予定だが当面は日割り」という内容で書かれているので、この記載が変わっていないかを確認してから実行する必要があります。
なお、利用停止や契約解除は、事前にpovoアカウントのメールアドレスとSMSあてに通知されるので、この通知が来てからの対応で大丈夫です。
povo2.0のもう1つの注意点が、周波数帯(バンド)です。
povo2.0はauの回線を使いますので、「Band1」と「Band18/26」が使えるスマホ端末を利用するのが理想です。
「Band1」は日本向けであれば大抵のスマホが対応していますが、auのプラチナバンドである「Band18/26」は対応していない端末も多いです。
今回使ったarrows Be F-04Kも「Band18/26」に対応していないのですが、povoの対応端末に記載されているので「Band1」のみでもそれなりに使えると判断されたのでしょう。
実際のところ、F-04Kの「Band1」のみで使用した場合、屋外では通話も位置情報の受信も特に問題なく行えました。
しかし屋内では電波強度が弱く位置情報も取りにくい状態で、通話に関しては発信は問題ないが着信ができない場合がある感じでした。
屋内に入る直前の位置情報で大体の位置が判るので、これで良いことにしましたが、可能であれば屋内でも問題なく使える「Band18/26」に対応したスマホ端末にしたいところですね。
周波数帯(バンド)に関しては、「イオシスの周波数帯(バンド)についてのページ」がわかりやすいです。
子供用スマホの設定方針
端末とSIMが決まったら、スマホの機能を子供仕様にしていきます。
小学生に持たせるスマホで利用できる機能は「通話」と「外部端末からの位置情報の把握」のみで十分でしょう。
通話までの操作は簡単で、画面の移動も少なくできるように設定したいですね。
誤操作で設定を変更してしまうことがないように、設定画面へのアクセスが簡単にできないようにしておくことも必要です。
これを踏まえて今回は、次のような方針で設定していきます。
- 決まった相手と簡単に音声通話ができる
- 別の端末から子供の現在位置を把握できる
- 不必要なアプリの利用を制限できる
- 誤操作を防止する
- 文字などのサイズを大きくして目の負担を軽減
ということで完成するキッズスマホは、次のような動きになります。
これらの設定をするために必要なアプリを紹介します。
Googleファミリーリンク
GoogleファミリーリンクはGoogleが提供する、子供のスマホを管理するためのアプリです。
子供のスマホの位置情報の確認やフィルタリングに使用します。
子供用に作成したGoogleアカウントに保護者のアカウント紐づけて、子供用アカウントが登録されたスマホの設定を操作したり、位置情報を確認することができます。
- 別の端末から子供の現在位置を把握できる
- 不必要なアプリの利用を制限できる
Skype
SkypeはMicrosoftが提供する無料の通話アプリです。
同じ無料通話アプリにLINEがありますが、LINEアプリ内ではフィルタリングサービスが効かないため、LINEアプリ内から有害なサイトへのアクセスができてしまいます。
ニュースや広告が表示されない「LINE Lite」というものもありましたが、サービス終了してしまいました。
この外部サイトにアクセスできてしまう問題を回避するためにも、通話はSkypeで行うことにします。
あとで説明しますが、Skypeにはスキーム起動可能というメリットもありますからね。
- 決まった相手と簡単に音声通話ができる
Apex Launcher
Apex Launcherはホームアプリと呼ばれるAndroidスマホのホーム画面をカスタマイズできるアプリです。
ホーム画面のアイコンの配置数やアイコンの大きさ、ホーム画面のスクロールやアイコンの移動の可否などを設定できます。
Apex Launcherを使ってアイコンの文字サイズを大きくしたり、ホーム画面をシンプルにすることで誤操作を防ぐのが目的です。
- 不必要なアプリの利用を制限できる
- 誤操作を防止する
- 文字などのサイズを大きくして目の負担を軽減
Lock App
Lock Appは指定したアプリの起動時にPINコードやパターンの入力を求めるように設定できるアプリです。
変更されてはいけない端末設定や、管理者として保護者の操作が必要なため無効にできないアプリへのアクセスを防ぐのが目的です。
- 不必要なアプリの利用を制限できる
- 誤操作を防止する
子供用スマホの設定前に
Googleファミリーリンクでスマホを管理する上で子供用のGoogleアカウントが必要になります。
子供用のGoogleアカウントはスマホを初期化後、次回起動時の初期設定の際に作成することができますが、初期設定時のアカウント作成はお勧めしません。
子供用のGoogleアカウントは制限があるので、端末やアプリの設定がスムーズに行えないからです。
初期設定の際は保護者のGoogleアカウントで進めて、あらかたの設定が完了してから子供用のアカウントを設定しましょう。
不要なアプリをアンインストール
まずは端末の[設定]アプリの[アプリ情報]から不要なアプリをアンインストールします。
不要なことは判っていてもキャリアのアプリなど、アンインストールできないアプリもあります。
これらのアンインストールができないアプリは無効化したくなりますが、ここでは無効化しない方が良いです。
Googleファミリーリンクをインストールしたときにアプリを無効化できるので、ファミリーリンクで無効化しましょう。
わたしは知らずにGoogleアプリを無効化してしまったので、ファミリーリンクで子供の位置情報が取れなくなって再設定することになりました。
ファミリーリンクから子供のGoogleアカウントを作成
保護者側のスマホから管理する子供用のGoogleアカウントを作成します。
Gooleファミリーリンクアプリでファミリーグループを作成して、そのグループに紐づいたアカウントを作成していきます。
子供が13歳未満の場合、ファミリーグループに紐づいたアカウントしか作成できません。
ファミリーグループに紐づいていないといけないので、13歳になるまではグループから離れることはできません。
13歳未満でグループから抜ける場合は、アカウント削除をすることになります。
理解したところで子供のアカウントを作成していきましょう。
まずは、保護者のスマホに保護者用ファミリーリンクをインストールします。
ファミリーリンクアプリを起動すると説明が表示されるので、下矢印(シェブロン)で進めて、[試してみる]ボタンから設定に移ります。
保護者か子供かの選択になりますが、今アプリを起動しているスマホは保護者用なので[保護者]を選択します。
すると子供のスマホも用意するように促されますが、今回は子供のアカウントだけ作成するので、端末はまだ用意しなくても問題ありません。
先に進むとファミリーグループの作成の流れに入ります。
ファミリーグループの管理者となる保護者のGoogleアカウントを選択して[ファミリーグループを作成]ボタンをタップすると、ファミリーグループが作成されて、子供がGoogleアカウントを持っているか尋ねられます。
ここでは新規に作成するので、[いいえ]ボタンをタップしましょう。
案内画面で[次へ]ボタンをタップして、子供用のアカウント作成に入ります。
まずは子供の名前を入力しますが、後で変更も可能なので気楽に入力して[次へ]ボタンをタップ。
生年月日と性別を設定します。
ここで設定した生年月日をもとに子供の年齢が管理されて、前述したファミリーグループからの離脱やGooglePlayストアなどでのレーティングの判断に利用されます。
例えば「YouTube」は、13歳未満は利用できません。
性別には[指定しない]の選択肢もあります。
メールアドレスを作成画面では、予めランダムな文字列で提示される2つのアカウントと、自分で作成する選択肢が表示されています
他の人が使用していない文字列を作成する手間はありますが、覚えやすいアドレスを作成したいので[自分でGoogleアドレスを作成]からアドレスを作成しました。
次にアカウントのパスワードを設定して先に進みます。
子供が13歳未満の場合は保護者に紐づける必要があるので、保護者のアカウントを設定します。
いまログインしているアカウントぐらい選択肢に出してほしいとは思いましたが、仕方ないですね。
保護者の同意を求められるので、注意書きをよく読んで理解したうえで同意しましょう。
なお、同意するにはチェックマークを入れないといけない部分があります。
同意した後は保護者の確認として、保護者用のアカウントにログインすると、子供のアカウント管理に関して表示されるのでの説明を読んで[次へ]ボタンで進みます。
子供のアカウントをファミリーグループに追加する画面で[同意する]ボタンをタップすると、アカウントが作成されます。
次の画面に進むと子供のデバイスに接続するステップになるので、いったんここで[×]ボタンをタップして中断します。
子供のデバイスへの接続は、あとから子供の端末側から設定できるので問題ありません。
子供用のメールアドレスが取得できました。
あとで行うSkype用のMicrosoftアカウント作成の際には、このメールアドレスを使います。
子供用のスマホに保護者のアカウントを設定
子供用のスマホですが、はじめは保護者のアカウントを設定しておきます。
制限のない保護者のアカウントを設定した状態で、機能を制限するアプリなどを予めダウンロードしておきましょう。
機能制限などの設定がすべて終わった後に、保護者アカウントとの紐づけを解除して、あらためて子供用のアカウントを設定する方針です。
クイック設定パネルの設定
ここからは子供用のスマホを設定していきましょう。
通知エリアを下にスワイプすると表示されるクイック設定パネルを使えば、簡単に端末の設定を変更できてしまいます。
子供が誤って操作して設定を変更してしまうと、都合が悪い機能もあるので編集して触れないようにしておきます。
[機内モード]にされたら困りますからね。
クイック設定パネルの編集は、通知エリアを下にスワイプすると、鉛筆マークの編集アイコンがあります。
このアイコンをタップすると編集モードに入り、アイコンを長押ししてからドラッグして消去エリアにドロップすることで削除することができますので、不要なアイコンは削除しておきましょう。
Apex Launcherの設定
Google PlayからApex Launcherをインストールして、端末の[設定]アプリから[ホーム画面切り替え]でホームアプリをApex Launcherに切り替えます。
ここから子供用に安全に使いやすい設定に変更するための設定をしていきます。
[Apexの設定]というアイコンをタップして設定画面を開いて、詳細な設定を行っていきましょう。
ホームスクリーンの設定
ホームスクリーンは、いわゆるホーム画面と呼ばれるアプリをすべて閉じた状態で表示される画面です。
ホーム画面に表示されるアイコンや文字のサイズやスクロールの可否を設定していきます。
レイアウトスタイル
ホーム画面にアイコンを置いたときに、子供が操作しやすいように大きめのアイコンにします。
[レイアウトスタイル]を、次のように設定しました。
- 行の数:3
- 列の数:3
- アイコンのサイズ:150
- ラベルサイズ:150
カードフィード
Apex Launcherには[カードフィード]と呼ばれるユーザが興味を持ちそうな情報を表示する画面があります。
ホーム画面を横にスワイプしたときに表示されるのですが、不要なので[OFF]にしました。
非表示のアプリ
Googleファミリーリンクで非表示にできないけど子供にさわらせたくないアプリは、[非表示のアプリ]の設定で非表示にします。
Apex Launcherで非表示にした状態で、ファミリーリンクの初期設定を行うと上手く動作しないアプリがあったので、ファミリーリンクの初期設定後に設定しましょう。
[非表示のアプリ]選択後、[非表示のアプリ]ボタンをタップするとアプリ一覧が表示されて隠すアプリを選択することができます。
ドックの設定
ドックは使用頻度の高いアプリを表示しておくためのエリアです。
今回は通話用にSkypeへのショートカットを置く想定で設定していきます。
ドックレイアウトのレイアウト&スタイル
[ドックレイアウトのレイアウト&スタイル]から、スタイルを設定します。
ドックにパパ、ママへの連絡用のSkypeアイコンと、アプリ一覧画面を開くアイコンの3つを配置する予定なので、次のように設定しました。
- ドックに置くアイコンの数:3
- 横の余白:S
- ドックの高さ:150
- アイコンのサイズ:150
- ラベルアイコン:ON
- ラベルサイズ:120
スクロール&アニメーション
ドックをスクロールする設定ですが、子供が誤ってスクロールしてアイコンを見失わないように[スクロール可能なドック]の設定を[OFF]にしておきました。
スワイプ ジェスチャ
Apex Launcherはスワイプによるジェスチャ操作にも対応しているので、子供の誤操作防止のためにこれらのジェスチャも無効化します。
Apex Launcher設定画面の[スワイプ ジェスチャ]にある[ジェスチャー]から不要なジェスチャを無効にしていきましょう。
インストール直後の状態で設定されている[スワイプダウン]の[検索を開始]は、GoogleChromeを開くことにつながるため[何もしない]に設定しておきました。
ただ、Apex Launcherの設定を変更する必要も出てくるかもしれないので、子供が誤操作しにくいと考えられる[2本指のスワイプアップ]に[表示アペックスのメニュー]を設定してApex Launcherの設定は起動できるようにしています。
ホームスクリーンをスクロールしないようにする
ホームスクリーンをスクロールしないようにするには[Apexの設定]ではなく、端末のホーム画面から行います。
ホーム画面の何もないところを長押しして、表示されるメニューから[画面管理]を選択しましょう。
デフォルトのホーム画面以外の画面を長押しして[削除]のところへドラッグ&ドロップして削除できます。
設置したアイコンを変更できないようにする
Apex Launcherの設定でホーム画面に設置したアイコンを変更できないようにロックすることができます。
子供が誤って必要なアイコンを削除してしまわないように、ロックをかけましょう。
ホーム画面で[表示アペックスのメニュー]を設定した[2本指のスワイプアップ]を行い、メニューを表示して[Lock Desktop]を選択するとアイコンの移動や削除ができなくなります。
再度アペックスのメニューを表示するとメニューが[Unlock Desktop]に変わっていて、ロックを解除することができます。
通話用のアプリなど、すべての設定が完了した後にロックすることにします。
Skypeの設定
通話アプリとして利用するSkypeの設定をしていきます。
Skypeをインストールして起動したら[はじめる]ボタン、[サインインまたは作成]ボタンとタップして[サインイン]の画面まで進みます。
[サインイン]の画面になったら「アカウントをお持ちでない場合、作成できます。」の「作成」の文字の部分のリンクをタップして[アカウントの作成]画面に移動してください。
[アカウントの作成]画面では「または、既にお持ちのメールアドレスを使う」のリンクをタップしてメールアドレスの入力画面に切り替えましょう。
ここでGoogleファミリーリンクで作成した子供用のGoogleアカウントのメールアドレスを設定して[次へ]ボタンをタップしてアカウントの作成を進めます。
Microsoftアカウント用のパスワードを設定して[次へ]ボタンをタップすると「姓」「名」の入力を求められるので入力しますが、「姓」「名」の入力は、本名である必要はなく、ニックネームなど好きなもので構いません。
ここで入力した名前が、Skype上の名前として表示されることになります。
画面を移動すると先ほど設定した子供用のGoogleアカウントのGmailアドレスにコードが書かれたメールが届くので、Skypeの[メールの確認]画面にコードを入力して[次へ]ボタンをタップします。
アカウントの作成に実在性の確認コードの入力を求められますので、画像に表示されている歪んだ文字のコードを入力しましょう。
認証が通ると、ここからは必要な権限を許可して行くことになります。
わたしの場合は、とりあえず連絡先へのアクセスは必要ないので許可せず、通話のためにマイクを許可、ビデオ通話のためにカメラへのアクセスも許可しました。
これらの許可状態は後から設定で変更できるので、一旦許可しないで後から許可するしても良いです。
これでSkypeの利用設定は完了です。
Skypeから簡単に通話できるようにする方法
通話アプリとしてSkypeを選択しましたが、Skypeはアプリ起動から通話するまでの道のりが、子供には分かりづらいという印象があります。
そこで端末のホーム画面に、登録した通話相手のSkype通話発信画面を直接開くことができるショートカットを作成しました。
このショートカットは「Website Shortcut」という無料アプリを利用して作成します。
SkypeにはウェブサイトのリンクからSkype通話の発信画面を開くことができるURIスキームという仕組みがあります。
お店のウェブサイトのリンクから、その店舗が利用しているSkypeアカウントに簡単に通話ができるようにするなどの利用がされている機能です。
このSkypeの仕組みと、端末のホーム画面にリンクを作成できる「Website Shortcut」の機能を利用します。
「Website Shortcut」をインストール後、起動してショートカットを作成してみましょう。
Skypeを起動するためのリンクのアドレスは、次のような形式で指定します。
skype:(Skype名)?call
「(Skype名)」の部分は通話を受ける側のSkype名を指定します。
「?call」は音声通話の画面を開くという指定ですが、なぜか初回の通話をするまではビデオ通話で起動していました。
音声通話を一度行えば、次回からは音声通話で起動できるようになりました。
「?call」が効いているのか、前回の起動設定が保存されているのかは判りませんが......
通話を受ける側のSkypeアカウント名が「example」だった場合、「Website Shortcut」の「Website (URI/URL)」の欄を次のように設定します。
skype:example?call
あとは「Label」「icon (File/URI/URL)」の欄に、ホーム画面に設置したときの名前とアイコンを設定して「CREATE SHORTCUT」ボタンをタップすると、プレビューが表示されます。
プレビューを確認して問題なければ、「Install」タップして、スマホのホーム画面にショートカットを作成しましょう。
ホーム画面に作成されたアイコンをタップすることで、設定したSkypeアカウントへの通話画面を起動できます。
これでホーム画面のアイコンのタップと通話開始ボタンのタップだけで通話が可能になりました。
2タップだけだから、子供でも簡単に通話ができますよね。
Lock Appで非表示にしていないアプリへのアクセスを禁止する
ファミリーリンクやApex Launcherを利用しても非表示にできないアプリの起動導線があります。
スマホの画面上部から下の方向へスワイプすることで表示される[クイック設定パネル]にある歯車のアイコンや日付が表示されている部分です。
歯車のアイコンをタップすると端末の[設定]アプリが起動しますが、子供には設定を変更させたくありません。
そこで「Lock App」というアプリを使って、アクセスさせたくないアプリを起動した際にロック画面を表示するように設定します。
「Lock App」は無料で広告も表示されないので、子供が広告をクリックしてインターネットにつながるという心配もありません。
androidバージョンの都合で「Lock App」がインストールできない場合は、「アプリロック(Smart AppLock)」がロック画面にも広告表示されてしまうのがイマイチですが、動作の安定感としては優れています。
Lock Appの設定
GooglePlayから「Lock App」をダウンロード、インストールして起動するとロック画面に設定するロックの種類を選択できます。
パスコードを入力して解除する「PINロック」か、図形を描いて解除する「パターンロック」の好きな方を選択しましょう。
わたしは、覗き見られても覚えにくいだろうと判断して「パターンロック」を選択しました。
ロックの種類を選択すると解除コードの設定画面になるので、子供に推測されないコードを設定しましょう。
解除コードを設定した後は、ロックを掛けるアプリの選択をします。
[すべてのアプリ]タブにスマホにインストールされているロック設定が可能なアプリが一覧表示されているのでロックしたいアプリを選択しましょう。
端末の[設定]アプリと、[時計]アプリをロックすることにします。
[時計]アプリは、ホーム画面に表示されている時計のウィジェットをタップしても起動してしまうので、ロック対象にしました。
ロック設定したアプリは[ロックされたアプリ]タブの一覧で確認できます。
あとは画面下の「ここをタップして開始してください。」と書かれた赤い部分をタップして、[サービスの開始]画面から[サービスの使用]をONにすればロック設定完了です。
[サービスの開始]がONになっている間は、ロック設定が効いている状態になります。
因みに「Apex Launcher」の設定も変更できないようにロックしようとしましたが、「Apex Launcher」をロックするとロックを解除しても、再度ロック画面が表示されて設定画面に進むことができなかったので諦めることにしました。
「Apex Launcher」の設定は誤操作しづらいスワイプジェスチャを設定して、知らないと起動できないようにすることで対応しています。
アプリロック(Smart AppLock)の設定
GooglePlayから「アプリロック(Smart AppLock)」をダウンロード、インストールして起動するとマスターロック設定の画面が出てきて設定します。
ですが、これ以降でマスターロックを使ったことがありません......
一応覚えておいた方が良いでしょうね。
アプリが起動したら[設定]タブから[パスワード&パターン設定]を選択して、[ロック方式]を選択していきます。
わたしは「パターンロック」を選択しました。
ロック方式を設定した後は[アプリ実行ロック]タブに移動して、ロックを掛けるアプリを設定します。
[アプリ実行ロック]タブにある[+]ボタンをタップして、開いた画面にあるロックしたいアプリのトグルスイッチをONにして[+]ボタンをタップすれば設定完了です。
ロック設定したアプリを起動すると、設定したパターンロックが表示されました。
子供用のスマホにファミリーリンクを設定する
子供のスマホへの必要な設定が済んだら、子供用のアカウントに切り替えましょう。
まずは子供のスマホの[設定]アプリを起動して、[アカウント]から初期設定用に登録した保護者のGoogleアカウントを削除します。
つぎに子供用のGoogleアカウントを追加するために、[アカウントを追加]から子供用のGoogleアカウントにログインします。
ログインすると保護者の選択画面になるので保護者のアカウントを選択して、本人確認のためにパスワードを入力しましょう。
ここから子供用のスマホにファミリーリンクをインストールすることになります。
フィルタリングの初期設定を確認して[次へ]ボタンをタップすると、ファミリーリンクマネージャーのインストールに進みます。
ファミリーリンクマネージャーは子供の端末内のアプリの非表示や使用時間制限を設定するのに必要なため、インストールしておきましょう。
インストールが終わると、子供の端末内のアプリ一覧が表示されるので、必要ないアプリのスイッチをOFFにしていきましょう。
「Apex Launcher」と「Skype」、あとは「Website Shortcut」と「Lock App」は、今回のシンプルな子供用スマホの必要なのでONにしておいてください。
「Google」はブロックできませんが、検索機能だけOFFにすることができます。
「YouTube」は13歳未満は使用できません。
ここで消せなかった子供にさわらせたくないアプリはApex Launcherで非表示にしましょう。
次の画面に進むと保護者の端末との接続が完了します。
Googleアカウントのデータの取り扱いを好みに設定すれば、子供の端末の設定も完了です。
これで保護者の端末から子供の端末の制御をすることができるようになりました。
その他の設定
ファミリーリンクからのアプリ制御の設定が完了しましたので、この状態でもまだ非表示にしたいアプリが子供の端末に表示されている場合はApex Launcherから非表示にしましょう。
完成まであと少しです。
ここまでの操作では設定しきれていない細かい部分の設定をしていきましょう。
エリアメール
災害の発生時の避難に必要な情報を受信できる「エリアメール」ですが、授業中に着信音が鳴ってしますと焦りますよね。
非難は大人の指示に従ってもらうことにして、エリアメールは無効にします。
端末の[設定]アプリの[アプリと音・バイブ]から[エリアメール]をタップして、[エリアメールの許可]をOFFに設定しましょう。
Googleアシスタント
ホームボタンを長押しすると起動してしまう「Googleアシスタント」も他のアプリを起動したり、外部サイトにアクセスできてしまうのでOFFにします。
端末の[設定]アプリの[アプリと音・バイブ]から[デフォルト アプリ]をタップ後、[アシスタントと音声入力]を選択して画面を移動しましょう。
[アシストアプリ]を[なし]に設定すればGoogleアシスタントが無効になります。
Googleファミリーリンクでのトラブル解決方法
子供の端末の位置を確認できるファミリーリンクですが、上手く動作しない場合があります。
わたしが直面したトラブルとその回避方法を記載します。
子供のスマホの位置情報が取得できない
位置情報の確認はキッズスマホとしては一番使いたい機能です。
ですが、ファミリーリンクで位置情報を確認すると、しばらく検索したあと「デバイスがオフラインです」と表示されてしまう場合があります。
地図には数時間前に取得した位置が表示されていて、更新を掛けても現在地が取得できませんでした。
子供の現在地が取れない原因は複数考えられますので、ひとつずつ解決していきました。
バックグラウンドでのモバイルデータの使用を許可
ファミリーリンクは起動していないように見えても、バックグラウンドで起動していて位置情報の送信を定期的に行います。
Android端末の設定で[バックグラウンドでのモバイルデータの使用]が許可されていないと、データ通信ができず位置情報を通知できませんので設定を確認してみましょう。
端末の[設定]アプリの[アプリと音・バイブ]画面に移動して、[アプリ情報]の一覧からファミリーリンクをタップしてファミリーリンクのアプリ情報を開きます。
[データ使用量]をタップすると[アプリのデータ使用]が開きますので、[バックグラウンド データ]と[データの無制限使用]を共にONに設定しましょう。
端末管理アプリに設定
アプリを別デバイスから操作するには[端末管理アプリ]に設定する必要があります。
ファミリーリンクが端末管理アプリに設定されていないと、保護者の他末から子供の端末を操作することができず、位置情報の取得依頼ができない可能性があります。
端末の[設定]アプリの[セキュリティと位置情報]から[端末管理アプリ]に移動して、ファミリーリンクマネージャの設定をONにしましょう。
省電力モード(Dozeモード)の対象外に設定
Android端末は、しばらくのあいだ使用されていない場合、「Dozeモード」という省電力モードになります。
Dozeモードになると通信が行われる頻度が下がり、データの同期がリアルタイムに行われなくなってしまうので、ファミリーリンクをDozeの対象外に設定しましょう。
端末の[設定]アプリの[アプリ一覧]からファミリーリンクのアプリ情報を開き、[電池]をタップして移動した画面から[電池の最適化]を選択します。
表示対象を[すべてのアプリ]に変更後、ファミリーリンクをタップして[最適化しない]に変更しましょう。
省電力モードで使用していないときの通信を抑止する設定が[最適化する]なので、通信させたい場合は[最適化しない]に設定するということです。
位置情報がリアルタイムで更新されない
ファミリーリンクでは、手動で更新を掛けないと位置情報取得の間隔が長く、子供が移動している様子が確認できません。
これはファミリーリンクが他の位置情報追跡サービスと比べて劣っているという訳ではなく、ドコモのイマドコサーチでも同様の動作ですが、ちょっと期待外れですよね。
そこでGoogleマップの機能を使って期待動作に近づけたいと思います。
自分の端末で地図アプリを見たときのようなリアルタイムでの位置情報は取れませんが、ある程度であれば短い間隔での位置情報確認が実現できます。
確認方法は、まず保護者の端末でGoogleマップを起動して、アカウントのアイコンをタップします。
メニューの中の[現在地の共有]をタップして共有する時間を選択すると、位置情報の共有が開始されて位置情報の取得間隔が短くなりました。
実際に試したところ、3分程度の間隔で位置情報が自動で更新されました。
遠隔操作で着信音が鳴らない
ファミリーリンクには保護者の端末からの操作で、子供の端末の着信音を鳴らす機能があります。
子供が端末を落としてしまった場合などに、端末を探すための機能ですね。
アプリの説明では、子供の端末がマナーモードになっていても最大音量で着信音を鳴らすことができるとされています。
しかし実際に試してみるとマナーモードの状態で着信音が鳴りませんでした。
これはマナーモードの設定を変更することで問題を解決できます。
端末の[設定]アプリの[アプリと音・バイブ]画面に移動して、[マナーモード]を[アラームONマナー]に設定すれば、遠隔操作で着信音が鳴るようになりました。
[アラームONマナー]がない端末の場合は、マナーモード中にアラームが鳴らせる設定に変更しましょう。
ファミリーリンクだけではなく「端末を探す」アプリやGoogleアカウントから着信音が鳴らせない場合も同様の設定で解決します。
ファミリーリンクを使ってみる
子供用のスマホ側で行う設定は完了しましたので、実際にファミリーリンクアプリを起動して動作を確認してみましょう。
保護者の端末から保護者用のファミリーリンクを起動して、子供のアカウントを選択するとメイン画面に移動できます。
子供のアカウントのトップ画面が表示されて場合は、画面を横にスワイプするとメイン画面になります。
メイン画面では、子供の端末の位置情報やアプリの利用状況などが表示されています。
地図に子供の端末の位置が正しく取れているか、[着信音を鳴らす]から着信音を鳴らすことができるか確認しておきましょう。
利用可能アプリや開発者向けオプションの利用可否の切り替えも、子供に端末を渡す前に動作を確認しておくことをお勧めします。
おわりに
子供用スマホを作成するための設定を説明してきましたが、参考になったでしょうか。
本ページで説明した設定をすると、使用できる機能と維持費を最小限に抑えることができます。
スマホを子供に持たせることへの抵抗がある程度軽減できたのではないでしょうか。
子供にスマホは早いと思うかもしれませんが、何かあってからでは遅いのです。
子供が使ってもよいと思える機能だけに制限したスマホを持たせてはいかがですか。