「Fire TV Stick」を購入してウキウキしていましたが、わたしのスマートフォン「Nexus5X」には、Miracastの機能がないことを知ってがっかりしました。
「Fire TV Stick」を購入時の記事はこちら
わたしはAmazonのプライム会員ではないので、Miracastが使えないとFire TV Stickの使い道もなくなってしまいます。
しかし調べてみると、どうもNexus5Xでも設定を変更してあげればMiracastが使えるみたいです。
......やるしかない
というわけで、海外のサイトを参考に色々したところNexus5XでMiracastを使えるようになりました。
そこで今回は「Nexus5XでMiracastを使えるようにするにはrootを取得する必要があり、root取得には端末初期化が必要なので徹底的にバックアップをしよう」というテーマになっております。
Nexus5XでMiracastを使える設定をする方法は、別記事で書きます。
Android開発ツールを使用できるようにする
まずはパソコンでAndroid開発ツールが使用できるようにする準備をします。
adb(Android Debug Bridge)というやつですね。
これはバックアップだけではなく、Nexus5Xでroot権限を取得するときやMiracastに対応させる設定を書き込む際にも使用するので必須です。
adbをダウンロードする
adbはGoogleが公開しているplatform-toolsの中に含まれているので、以下のファイルをダウンロードします。
わたしの環境はWindowsなのでここからはWindowsでの例となります。
zipファイルを解凍して作成された「platform-tools」フォルダの中に「adb.exe」があることを確認します。
「platform-tools」フォルダを好きな場所に保存します。
わたしの場合は、Windowsのシステムディスク(Cドライブ)の直下に「Android」というフォルダを作成して、その中に「platform-tools」フォルダを移動しました。
adbのPathを通す
次に「platform-tools」フォルダのPathを通します。
この作業は「パソコンに実行ファイルの場所を教える」作業です。
これをしておくことで、どこからでも「adb」のコマンドを呼び出すことができるようになります。
- [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[システム]を選択
- [システムの詳細設定]を選択
- 展開した[システムのプロパティ]ウィンドウの[詳細設定]タブに移動
- [環境変数]ボタンを押す
- 展開した[環境変数]ウィンドウの[システムの環境変数]-[Path]を選択
- [編集]ボタンを押す
- 展開した[環境変数名の編集]ウィンドウの[新規]ボタンを押す
- platform-toolsフォルダの保存パスを入力して[OK]ボタンを押す
- すべてのウィンドウを[OK]ボタンを押して閉じる
Nexus5Xの設定
パソコンからのadbコマンドを受け付ける設定をします。
- Nexus5Xの[設定]-[端末情報]-[ビルド番号]を7回連続タップする
- 「これでデベロッパーになりました!」と表示され、[開発者向けオプション]が使用可能になる
- [設定]-[開発者向けオプション]を選択
- [USBデバッグ]をオンに設定して許可をする
パソコンにadbドライバをインストールする
Windowsでadbデバッグをする場合、パソコンに「Google USB Driver」をインストールする必要があります。
Google USB Driverのダウンロードはこちらからできます。
しかし「ここをクリックして Google USB ドライバの ZIP ファイルをダウンロードします」とあるのでクリックしても、何の反応もありません。
その際は、ページ右下にある言語選択で[English]を選択して英語表示にします。
そして「Click here to download the Google USB Driver ZIP file (ZIP)」をクリックするとダウンロードできます。
Nexus5XをUSBデバッグモードで接続して、ドライバをインストールすれば完了です。
adbが使用可能か確認する
ここまでのことを設定したパソコンとNexus5XをUSB接続して、adbコマンドが使用できるか確認します。
- パソコンとNexus5XをUSB接続
- Nexus5X側に[USBデバックを許可]ダイアログが表示されるので許可する
- パソコン側でコマンドプロンプトを起動
- コマンドプロンプトで次のコマンドを実行
> adb devices
デバイスのリストにシリアルナンバーと「device」の文字が表示されていれば接続されています。
Nexus5Xのバックアップを取る
root権限を取得するためには端末の初期化が避けて通れません。
購入したばかりの端末なら良いのですが、使用中の端末を初期化するには念入りにバックアップをした方が良いです。
わたしのNexus5Xでは、以下のバックアップを行いました。
- 連絡先をすべてGoogleアカウントに紐づける
- 写真や動画はパソコンにコピーしておく
- [設定]-[アカウント]からGoogleアカウントと同期しておく
- [設定]-[バックアップとリセット]-[データのバックアップ]をオンに設定
- adbコマンドでバックアップ
- LINEアプリにメールアドレスを設定しておく
- JSバックアップでバックアップ
連絡先や写真のバックアップは説明不要だと思いますので、スキップして後半の説明をします。
adbコマンドでバックアップ
バックアップファイルを保存したいフォルダでキーボードの<Shift>キーを押しながらマウスで右クリックします。
表示されたコンテキストメニューから「コマンドウィンドウをここで開く」を選択してコマンドプロンプトを起動。
Nexus5Xをパソコンとつないだ状態で、以下のコマンドを実行します。
> adb backup -apk -obb -shared -all
するとNexus5Xの画面がパスワードの入力待ち画面になるので、復元用のパスワードを設定して進めましょう。
しばらくすると「backup.ab」というファイルがフォルダに作成されます。
ファイル名を変更したり、システムファイルを含めたりのオプションも指定できますが、わたしの場合はうまく復元できなかったので、上記の方法にしました。
ちなみに上記の方法も実行するたびに「backup.ab」のサイズが微妙に変わったので、念のため複数取っておきました。
端末初期化後はバックアップ保存先のフォルダからコマンドプロンプトを起動して、以下のコマンドで復元します。
> adb restore backup.ab
Nexus5Xの画面でパスワードを求められるので、バックアップを取ったときに設定したパスワードを入力しましょう。
これでそこそこ復元できます。
LINEアプリにメールアドレスを設定
adbバックアップではLINEのデータはバックアップできません。
LINEの連絡先などのデータは、アプリ上でメールアドレスを設定することで復元できるようになります。
個別のトークの内容までは復元できないので、それらも復元したいという場合は他の方法を探してください。
端末初期化後は、LINEアプリを再ダウンロードして、初回起動画面で「ログイン」を選択してメールアドレスを入力するだけで、連絡先などのデータは復元できます。
JSバックアップでバックアップ
念には念を入れて「JSバックアップ」でのバックアップも取っておきます。
Nexus5XからGooglePlayを起動して「JSバックアップ」をダウンロードします。
起動してバックアップ用のGoogleアカウントを指定して、バックアップを実行するだけです。
簡単ですね。
端末初期化後は、「JSバックアップ」を再ダウンロードしてアカウントを指定して復元するだけです。
今回はここまで
Nexus5XがMiracastに端末では対応しているのに、ソフトで蓋をされて対応していないことから勢いでroot化しましたが、これだけのバックアップをあらかじめしておくことで、ほとんど元通りの状態に戻せました。
root化の方法は色々なサイトで紹介されているので、省こうかと思っていましたが、root化でつまずいたり、Nexus5Xがほぼ動かない状態になったけど復活させた経験を書いていったらroot化の方法にすべてふれてしまった記事ができました。
root化したNexus5XでMiracastが使用できるまでの設定方法は、以下の記事で紹介しています。