シェア拡大に向けて絶賛キャンペーン中の楽天モバイルのプラン「Rakuten UN-LIMIT VI」に契約しました。
Amazonのタブレット「Fire HD 8Plus」を購入したので、このデータ使い放題プランで外出先でも通信量を気にせず動画視聴を楽しむのが目的です。
楽天モバイルはサービス開始からしばらく経ったとはいえ、まだまだ発展途上にあるキャリアです。
実際に使っている実体験から「使い勝手はどうなのか」「どのような使い方が向いているのか」という視点で使用感を解説します。
果たしてドコモの「ahamo」など大手キャリアのプランに対抗できる実力はあるのか。
楽天モバイルとの向き合い方を一度確認してみましょう。
楽天モバイル契約プランの特徴
楽天モバイルの旧プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、データ使い放題、国内通話かけ放題(アプリ使用時)でデータ使用量に応じて月額が無料~最大3,278円(税抜 2,980円)まで変動しました。
契約事務手数料や契約解除料も0円なので、金銭的な負担なしで試すことができたんです。
負担がないどころか他社からの乗り換え(MNP)であれば、キャンペーンを利用して更に楽天ポイントを大量に貰えるという大盤振る舞いでしたから、MNPするならキャンペーンが行われているうちに契約しておきたかったんです。
無料利用できるプランが終了してしまいましたが、データ使用量としてカウントされない「Rakuten Link」を利用した通話専用で運用するのも良いですね。
また楽天モバイルに契約していると、楽天市場での買い物に適用されるSPU(スーパーポイントアッププログラム)のポイントが+1倍になるというのも見逃せません。
このポイント+1倍のためだけに契約しても良いくらいです。
サブ回線として契約
契約をするにあたり1つ不安だったのが、楽天モバイルは移動体通信事業者(MNO)に新規参入したばかりで、基地局が少ないため自社回線が圏外になる可能性があるということです。
楽天回線で補えていないエリアはパートナー回線としてauネットワークのローミングで対応しているのですが、自分の行動範囲で安定して通信できるのかは使ってみるまで判りません。
わたしはメイン回線としてUQモバイルと契約しており、通信の安定感、通話品質ともに大変満足していますので、メイン回線の電話番号はUQモバイルに残したままMNPはせずに、楽天モバイルは新規SIM発行の契約としました。
楽天モバイルの無料期間は、サブ回線として利用していく方針です。
UQモバイルの契約内容だと、外出先で動画視聴をすると通信制限が気になってしまうことと、電話を掛けた際の通話料だけがネックなので、この辺りを楽天モバイルで補えれば良いと考えていました。
動作確認エリアとデータ通信
先に述べた通り、楽天モバイルの自社回線で補えていないエリアはパートナー回線としてauネットワークでの対応となります。
楽天回線エリアでは最大月額3,278円(税抜 2,980円)でデータ使い放題になりますが、パートナー回線への接続だと高速データ通信は月に5GBまでです。
使用する地域によっては常にパートナー回線への接続となり、データ使用量超過で最大1Mbpsの速度制限を受ける可能性がありますので、まずは楽天モバイルが公開しているサービスエリアマップを確認してみましょう。
わたしが動作確認を行っている地域は、主に神奈川県横浜市の「横浜駅周辺」です。
サービスエリアマップ上では、横浜駅周辺は完全に楽天回線エリアになっています。
これを普通に捉えると大抵の場合は楽天回線でデータ通信できて、一部の電波が悪いところをパートナー回線でフォローするような印象を受けますよね。
しかし実際に3ヶ月ほど使用してみたところ、楽天回線に繋がっている時間よりもパートナー回線に繋がっている方が長いという結果になりました。
画像は楽天回線とパートナー回線でのデータ使用量の比較ですが、わたしがデータを使用する場所の大部分がパートナー回線だったという結果になっています。
12月途中のデータなので、10月、11月のデータを参考にしてください。
サービスエリアマップ上では完全に楽天回線エリアでもこの結果なので、データ使い放題というのは現状では期待できません。
パートナー回線に繋がればまだ通信できますが、楽天回線の人口カバー率が70%を超えた地域からauローミングの終了を検討することになっています。
となると、この「横浜駅周辺」のように「サービスエリアマップ上では楽天回線だが、実際の接続はほぼパートナー回線」という地域はどうなるでしょうか。
楽天が公開しているサービスエリアマップ上では楽天回線でほぼカバーできているので、早々にauのローミングは終了となることが予想できます。
しかし現状この地域で実際に繋がっているのはパートナー回線なので、auのローミングが終了すると圏外になってしまう可能性があるんです。
通話かけ放題の使い勝手
楽天モバイルの通話かけ放題は「Rakuten Link」というアプリを利用することで実現します。
Rakuten LinkアプリはいわゆるIP電話ですが、楽天回線のSIMと紐づけることによりSIMの電話番号を使って発信することができます。
通話音質は悪くなく、特に聞き取りにくいということもありませんが、仕様の検討不足な部分がいくつかあります。
- Wi-Fi接続状態で発信すると、相手には番号非通知で着信することがある
- 着信音が一瞬しか鳴らない場合がある
- Webサイトにある電話番号のリンク(TELスキーム)をタップしても通話アプリの選択対象として表示されない
- [ウォレット]と[ニュース]という通話とは関係ない機能が追加されて無効にできない
正直、電話として使えはするものの、通常の電話アプリとの動作の違いを知っている必要があり、使いづらい印象です。
結論として現状では楽天モバイルをメイン回線として使うことはおすすめしません。
楽天モバイルSIMの用途
メイン回線としてはイマイチですが、まったくSIMが役に立たないわけではありません。
他のスマホやタブレット、パソコンのテザリング用にするなど月額定額で膨大なデータを利用できるメイン回線の補助として利用する使い方がおすすめです。
また、スマートフォンの中にはDSDSやDSDVという「2枚のSIMを挿入してどちらの電話番号も着信を受けることができる機能」に対応したものがあります。
楽天モバイルのSIMは、この機能を使い2枚刺しをするSIMの一方として利用します。
電話の「受信」や「番号通知が必要な発信」はメイン回線を利用して、病院の予約やコールセンターへの問い合わせなど「番号を通知する必要がない発信」はRakuten Linkアプリからかけ放題の無料通話を使う感じですね。
データ通信についても安定したメイン回線のSIMで翌月に持ち越しできない分のデータ量を使ったあと、月末まで楽天SIMに切り替えて使用するといったメイン回線のデータ使用量を抑える補助的な使い方も良さそうです。
この使い方であれば、パートナー回線における5GBまでの制限が掛かることも少なく、ある程度は役に立つと思います。
データ使用量としてカウントされない「Rakuten Link」での無料通話専用に使ったり、端末側でデータ使用量を1GB未満に制限をかけてラジオアプリのradikoなどデータ使用量の少ないアプリを利用するなどの使い方も考えられますね。
まとめ
現状での結論としては、楽天モバイルの旧プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」は、謳っているサービス内容をいつでも安定して受けられる環境に至っていませんでした。
楽天回線に繋がっていればデータ通信も格安で使い放題になりますが、まだメイン回線として使えるほど安定した接続ができない状態です。
では、安定するまで楽天モバイルに申し込まない方が良いかというと、答えは「No」です。
MNPを検討しているならキャンペーン期間中は無料で楽天ポイントを大量に貰えるのですから、キャンペーンが終了する前に申し込むべきですよね。
データ通信網や回線状況がもっと良くなってから申し込もうとタイミングを待っていたら、キャンペーンが打ち切られてしまう可能性があります。
というか状況が良くなったらキャンペーンは打ち切られるでしょう。
楽天回線が安定するまではSIMはおまけとして考えて、キャンペーンのポイントを貰うことと、SPUのポイント+1倍のために楽天モバイルに契約するという考えでも問題ありません。
いつキャンペーンが打ち切られるかわかりませんので、すぐに申し込みましょう。